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クライアントアースが東京証券取引所のコーポレートガバナンスコード改訂案についてのパブリックコメントを提出

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クライアントアースが東京証券取引所のコーポレートガバナンスコード改訂案についてのパブリックコメントを提出

一般社団法人クライアントアースは、2026年4月10日より始まった東京証券取引所のコーポレートガバナンスコード改訂案に対する意見募集に対して、同年5月にパブリックコメントを提出しました。

コーポレートガバナンスコードは2015年に策定され、2018年および2021年に改訂されましたが、今回、2024年に策定された「コーポレートガバナンス改革の実質化に向けたアクション・プログラム2025」を踏まえ、コーポレートガバナンスコードの実質化に向けた取組みの一つとして、コーポレートガバナンスコードの再改訂が検討されました。

今回の改訂では、「企業と投資家の自律的な意識改革に基づくコーポレートガバナンス改革の実質化を引き続き促しつつ、企業の持続的な成長と中期的な企業価値向上に真に寄与する『緊張感ある信頼関係』に基づく対話の促進」を目的として、経営資源の適切な配分を通じた投資の促進、有価証券報告書の株主総会前の開示、取締役会の機能強化などが主要な論点として議論されています。

特に、環境・気候変動関連で重要となる株主との対話については、株主に関する旧第1章(株主の権利・平等性の確保)と旧第5章(株主との対話)を統合し、その重要性に鑑み、コーポレートガバナンスコードの冒頭に規定されることとなりました。サステナビリティを巡る課題についても、取締役の役割・責務として統合・整理されることとなり、これらの機能の強化を図るコーポレートガバナンスコードの再改訂の方向性は、気候関連課題においても評価できます。

クライアントアースは、コーポレートガバナンスコードの更なる強化を期待して、以下のパブリックコメントを提出しました。本コメントでは、特に、株主総会における会社および株主提案に関する原則、サステナビリティを専門とする社外取締役の必要性、気候関連開示基準の義務化やサステナビリティ委員会の導入が企業に増えていることを踏まえ、下記の5点について改正案の課題と改善の方向性を提案しています。

1. 株主総会で相当数の反対があった会社提案議案・相当数の賛成があった株主提案議案の取扱い

改訂案(現行の補充原則1-1①を原則に格上げ)では、株主総会で可決には至ったものの相当数の反対票が投じられた会社提案議案があれば、会社は反対の理由や反対票が多くなった原因の分析を行い、適切に対応すべきとされているものの、英国のコーポレートガバナンス・コードの同様の規定と比較すると明瞭性に欠けている。翌年の株主総会における株主の権利行使が十分に確保できるよう、翌年の株主総会の3か月前までに当該分析および会社の対応について法定・任意の開示書類において明らかにすべきである。相当数を20%とすれば明瞭性に資する。

可決には至らなかったものの相当数の賛成票が投じられた株主提案議案についても同様に規定すべきである。

2. 脱炭素移行計画と取締役会の役割

 ISSBがIFRS S2(気候関連基準)を定め、日本でもサステナビリティ基準委員会(SSBJ)のサステナビリティ開示テーマ別基準第2号(気候関連開示基準)に従った開示が義務化されたことを踏まえ、取締役会は、脱炭素移行計画を策定し、事業計画の一部となるよう取り組むべきである。

3. 任意のサステナビリティ委員会の設置

脱炭素移行計画の遂行に対する監督や助言の強化を図るため、取締役会内に任意のサステナビリティ委員会を設置し活用すべきである。

4. サステナビリティを専門とする社外取締役の確保

取締役会のサステナビリティ課題への適切な理解および取組みを促進するため、社外取締役の資質として、少なくともサステナビリティを専門とする者を1名確保すべきである。

5. 独立社外取締役の気候関連リスク管理における機能発揮

独立社外取締役の機能発揮には、取締役会の内部委員会における審議に時間を尽くすことが重要である。特に指名委員会等設置会社および監査等委員会設置会社における法定の監査委員会および監査等委員会による監督権限が十分に機能する必要がある。

とりわけ、SSBJの気候関連開示基準に従ったサステナビリティ開示が義務化され、気候リスクが重要な財務リスクとなったことを踏まえ、監査委員会および監査等委員会が気候関連リスクの管理・回避において積極的かつ能動的な役割を果たすべきである。