ClientEarth
2026年4月27日
最近公表された新たなエネルギーモデリングにおいて、クライアントアースのパートナーであり、気候テック・分析分野をリードする非営利団体であるTransitionZeroは、日本がクリーン電力を無駄にすることなく、2040年までに電力に占める再生可能エネルギーの割合を50%まで拡大できる可能性を示しました。
日本の第7次エネルギー基本計画における目標の更新を踏まえると、今回のシナリオ分析の結果は、再生可能エネルギー開発事業者や意思決定者にとって重要な示唆を与えるものです。第7次エネルギー基本計画では、2040年までに再生可能エネルギーを電源構成の約40〜50%まで引き上げることが目指されています。本調査に基づけば、再生可能エネルギー開発を優先することは可能であり、同時に消費者のコストを引き下げ、電力系統の炭素集約度を低減できることが示されています。
TransitionZeroは、エネルギーシステムの構成における柔軟性こそが、出力抑制リスクによって再生可能エネルギー事業の融資適格性や実現可能性が損なわれないようにするための鍵であると指摘しています。
出力抑制リスクとは何か、なぜ重要なのか。
基本的に、再生可能エネルギーの「出力抑制」とは、風力や太陽光などの再生可能エネルギー電源について、電力の総供給量が需要や送電網容量を上回る場合に、意図的に発電を停止または抑制することを指します。
日本において再生可能エネルギーの割合が2024年の16%から2040年に50%まで上昇したとしても、再生可能エネルギー発電事業者の出力抑制率は1.5%にとどまり、現在とほぼ同水準を維持できる可能性があります。
再生可能エネルギー事業に伴う出力抑制リスクに対する認識は、政策判断に大きな影響を与え得ます。つまり、その前提条件が、再生可能エネルギー事業の行方を大きく左右する可能性があります。同前提は、2021年に電力広域的運営推進機関(OCCTO)が実施した公式調査にも基づいています。そのため、3つの異なるシナリオ設定を用いた今回の再評価は、こうした前提に改めて向き合うための時宜を得た貢献と位置づけられます。
主な分析結果
● 日本が目標通り、2040年までに再生可能エネルギー比率50%という中程度に野心的な目標を達成する場合、十分なシステム柔軟性が追加されれば、現在と同程度の低い出力抑制率(約1.5%)を維持することは現実的です。低い出力抑制率を維持するうえでは、火力発電容量の最適化と地域間連系線の運用上の柔軟性が鍵となります。
● 一方で、日本の電源構成における再生可能エネルギー比率が74%に達する非常に楽観的なシナリオでは、クリーン電力系統に近づく一方で、出力抑制リスクは大幅に上昇します。この場合、最も効果的な柔軟性対策としては、原子力発電の運用に柔軟性を持たせること、地域間連系線容量の拡大、長時間蓄電の導入などが挙げられます。
TransitionZeroのウェブサイトでは、全体的な分析手法、シナリオ設定、詳細なデータ分析をご覧いただけます。
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